会社の掟 ~働く女性のバイブル
バリバリの女性向けの本。
しかも、作者は「仕事を始めて5年以内か、これから始めようとする女性」を対象として書いたそうです。
私の場合、キャリアが浅いので、今この本に巡りあえてラッキーだと思います。ただ、キャリアを積んだ女性でも、この本を読めば、改めて会社という組織を見直すよいきっかけになるでしょう。
副題が「知らない女性はソンしてる」で、もともとのタイトルは「ビジネス・ゲーム」さらに、原題は"Games Mother Never Taught You" そう、もともとはアメリカで出版された本です。著者はベティ・L・ハラガン。NYの著名なビジネスコンサルタントで、企業内で25年の専門職や管
理職としてのキャリアがあるそうです(出版当時の話。アメリカでは1977年出版)
内容に古さがあるのではないか、と思いましたが、思ったほどでもなかったです。ただ、これを読んだ男性の話だと「当たり前のことが書いてある」とか。やはり、女性と男性で、仕事(会社)に対する意識が根本から違う気がします。女性の方が、甘いのかもしれません。
私はこの本を読んで「そこまで書いていいの?!」と思った箇所がいくつかあります。基本的にはキャリア志向の女性向けなので、例えば秘書とか、ピラミッド組織に属していない職を選ぶ女性を、バッサリ読者層から外していて驚きました。明確で分かりやすいですが、周りを見ると、この本で述べられている「ピラミッド外」に属する仕事をしつつ、現状に不満を述べながらも、そこに留まり続ける女性たちもいます。要は作者に言わせれば、そんな地位は捨てて、新しく上を目指 せ!ということになるのでしょう。
備忘録代わりに、印象に残った点を。
●仕事熱心な女性はしばしば、本来自分が果たすべき仕事よりも更に沢山の仕事を進んでこなし、その結果疲れ果てることがある。これに対しては「彼女
はよくやっている」とのお褒めの言葉を頂くことがあるが、大抵は言葉だけで、昇進や昇給などの実質は伴わない。このように、自分に与えられた機能や責任の 範囲を超えて仕事をしてしまうことは、会社に「食いもの」にされること。ピラミッド組織の中に生きている人間は、自分の属する階級の仕事をきちんとこなし
てこそ、評価される。他人の仕事をしても、自分の仕事の評価にはならない。エネルギーの無駄使いは慎重に行うべき。
●会社=軍隊/企業は利益を上げるために存在し、大組織はセクションごとに分割され、それぞれ管理する人間が配置されており、自分の上司に逆らうことは許されない。
→男性中心のビジネス社会は、意識しようがしまいが、文化的に女性を排除するような仕組みになっている
●オフィスで賢いプレーヤーになる秘訣
1)自分の仕事の内容を十分理解し、必要知識・技術を取得
2)オフィスで不愉快なことに遭遇しても、感情まかせな行動は厳禁
3)会議等の公式の場では上司に逆らうべからず。代わりに別のアイデアを出したりしよう
4)自分以外の人が抜擢されても怒らない。努力しているのは、自分だけではない。
5)全ての仕事を自分でこなそうとするのは、やめよう。自分の仕事の結果は誰のためのものだろうか。そこを理解しよう
6)ミスを犯したら、がっかりせず、それから学ぼう
●女性は「もっと自分を生かす仕事を」「もっとやりがいのある仕事を」と求めて時間を費やす傾向があるが、それは無駄。キャリアとは結局「仕事を続
けていくこと」。現実的には、働くということは「生活の糧を得ること」。しかし「仕事をする」ということは、単に生活を支えるだけでなく、自分の技術を生 かしたり、様々なことに挑戦したり、自分が気付かなかった才能を発見するチャンスでもある。よって、仕事は「参加」して意義があるのであり、ただ見ている
だけでは、何の意味もない。
●家庭と仕事を両立させたければ、十分に昇進してから子供を持つのが、一番シンプル。
若くしてワーキングマザーになったら・・・
1)夫に全面的に協力を求める OR
2)家事をデレゲーション(お金とプライバシーの面で、妥協が必要だが)
●自分の仕事上の役割を演じよう。例えば、会議に紅一点で出席する際にも、どうあがいても注目されるのだから、開き直ってどんどん発言し、その場の雰囲気を自分のペースにしてしまおう。
●女性管理職として・・・自分がいかに頭がよく、有能であるかを見せつけてはならない。これは非常に初歩的なテクニック。「自分が何をするか、以前
に、部下が何を考えているか知る」縄跳びは、縄を回す人間の協力がなければ出来ない。縄を飛ぶ技術だけでなく、縄の回し手を懐柔する必要あり。
●女性が伝統的に行ってきたこと・・・書記役、昼食取り、お茶くみ・・・を好意で行うと、余計に沢山の仕事を言いつけられることも。やるべき仕事をそうでない仕事をはっきりさせるのは、尊大なことではない。
●香水は基本的につけない方がよい。締め切った会議室で他人の迷惑になることも。楽しむならプライベートで。
思わず頷きレスをしてしまいそうな箇所だけ抜き出しても、この量。
読んでいて非常に痛快な1冊です。
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